OB・OGインタビュー 2020年春期インターン生 岡田侑子さん

 

岩手実践型インターンシップに参加した学生を紹介する「岩手実践型インターンシップOB・OGインタビュー」。

今回は陸前高田市で移住定住の相談対応や空き家バンクの運営を行うNPO法人高田暮舎(以下、高田暮舎[たかたくらししゃ])の実践型インターンシップに参加した岡田侑子さんにお話を伺いました。岡田さんがどのような経緯で実践型インターンシップに参加し、どのような活動を行ったのかご紹介します。

岩手実践型インターンシップOB・OGインタビュー

プロフィール

岡田侑子

東京生まれ・東京育ち。早稲田大学法学部・社会保障法専攻。高校生の時に地域に飛び込んだことをきっかけに、大学では「地域と人とのつながり」という視点をもって活動。岩手実践型インターンシップには2020年2月〜3月に参加(当時大学1年生)。インターンシップ先のNPO法人高田暮舎の活動には、2021年10月からもリモートスタッフとして空き家に関する総合事業に携わる。興味があるのは「地域における暮らしの共同・共同体」。

インターンシップ先:NPO法人高田暮舎

「ポジティブな過疎地を創る!」をテーマに、陸前高田市への移住・定住サポートを通して新たなまちづくりに取り組んでいる。移住・定住の相談対応をはじめ、暮らし情報の提供や空き家の管理・案内、交流イベントの開催など、様々な活動を展開。

 

ー岩手実践型インターンシップに参加するまでの経緯を教えてください。

NPO法人wizがコーディネートする岩手実践型インターンシップは、全国各地で実施している実践型インターンシップの募集地域が集まるイベントに参加して知りました。その中でも特に、高田暮舎に興味を持ったのは、もともと「地域と人のつながり」に関心があったことがきっかけです。

高田暮舎の募集プロジェクトは「空き家活用」に関わる内容だったんですが、その取り組みが地域と人が繋がるいいきっかけになる取り組みだなと感じて、エントリーすることを決めました。

 

ー「地域」や「地方」に興味を持ったきっかけはなんですか?

私は東京都出身なんですが、福岡県と奈良県に親戚が住んでいるんです。幼い頃からそれぞれの地域に訪れる機会があって、その場所で過ごす楽しさを知っていたので、地域や地方に興味を持つようになりました。

また、高校生の時に課題研究として、地方を取り上げる研究をしていたことも理由のひとつです。その時は三重県に1週間滞在していたんですが、そこでも地方の面白さを実感しました。

私が思う地方のいいところは、人の繋がりのあたたかさ。自分の存在意義を感じられる、顔の見える関係性があるのがいいなと思っています。

高校生の時の課題研究の様子

(写真:高校生の時の課題研究の様子)

 

ーインターン先ではどのような活動をしていましたか?

空き家になっている物件を探し、家主さんへ空き家バンクへの登録を提案したり、空き家に関して様々な企業や自治体と連携する関係性づくりに取り組んだり、空き家活用に関わる新規事業の立ち上げを行ったりしました。

活動を始めた当初は、高田暮舎から「これをしてください」という指示みたいなものがなかったので、「何をするか」は自分で考えないといけなかったんです。最初は地元の人たちとの関係性もない状態だったので、何をしたらいいかすごく悩みましたね。自分で考えて、動く大切さと大変さを知るいい機会になりました。

活動開始当初

(写真:活動開始当初の様子)

 

ー活動の中で印象的だったことはありますか?

「中間研修」が活動期間中のターニングポイントになったことを覚えています。
(中間研修:実践型インターンシップ開始から2〜3週間後に、前半の活動の振り返りや後半に向けた目標の再設定などを行う研修のこと)

中間研修より前の期間では、最初に設定した目標に向かってやみくもに空き家バンクに登録できる物件を探していたんですが、なかなか思うようには進められなくて。

「目標設定自体が適切ではなかったんじゃないか」という悩みにぶち当たったんですが、高田暮舎のみなさんと話をしながら「家」という特性上、こちらでコントロールすることはできないことに納得して、今すぐ結果を出すことよりも、いつか結果に繋がるような活動を続けていくことの重要性に気づくことができました。

それからは活動の仕方が変わって、特に初めて会う空き家の大家さんとの接し方には気をつけるようになりました。

意識したのは、こちらから一方的に説明をして理解してもらおうとするのではなく、やわらかい印象を与えながら、お互いのニーズが合致した時に初めて事業についての具体的な話をすること。

活動期間中に、本当に苦しんで悩んだ経験があったからこそ、自分で納得できる活動の仕方に行き着くことができたと思っています。

中間研修の様子

(写真:中間研修の様子)

 

ーインターン先ではどんな生活を?

高田暮舎のスタッフの方のお家に住まわせていただいていたんですが、毎日のようにたくさんの人と一緒にご飯を食べていましたね。

そのおかげで、本当に多くの人と出会うことができたので、暮らしの部分はすごく充実していました。今でも関係性が続いている人もいて、これからも陸前高田に関わりたいなと思える理由に繋がっています。

他インターン生との交流の様子

(写真:他インターン生との交流の様子)

 

ー今後の展望は?

私は「地域で何か面白いことをしている人」になりたいなと思っています。

その上で大切なのは、「どうやってやりたいことをやりながらお金を稼ぐか」ですが、お金を稼ぐという部分では、高田暮舎での活動を通して「空き家活用」にとても可能性を感じています。

なので、高田暮舎でのインターンで得たことを大切にしながら、自分の理想の暮らしや働き方に向けて頑張っていきたいです。

また、最近参加したワークショップで他の参加者の方につけてもらった「まちの舞台監督」という肩書きもいいなと思っていて。

現場に立ちながら、全体を俯瞰して見て、頭と身体を動かしつつ、みんなでその場をよくしていこうとする。そんな舞台監督のような役割を、自分が暮らすまちで実現できるといいなと思います。

 

ー最後にメッセージを

私は「大学生」という立場はすごくありがたい立場だなと思っているんです。「学びたいです」と言って、人に会いに行くと、本当にいろんな大人がしっかり向き合って話をしてくれて、一緒に食事してくれたり、遊んでくれたりする。本当はお金が発生するようなことを、「大学生だから」と許してもらっている感覚があるので、この立場は今のうちに使うべき特権だと思っています。

なので、私と同じ大学生のみなさんには、その特権を使えるうちに一歩踏み出すことを怖がらず、実践型インターンシップにぜひ参加してほしいなと思います。

受け入れ先には、優しく接してくれる大人がたくさんいると思うので、挑戦することで生まれる人間関係を大切にしながら、「自分のやりたいこと」を確立していく体験をぜひ楽しんでみてください。

活動中の様子

(写真:活動中の様子)

 

担当コーディネーターからのコメント

新たな地域との関わりや「空き家」への関心から岩手県陸前高田市に飛び込んでくれた岡田さん。多くの不安や挫折を乗り越えて今も挑戦を続ける岡田さんの言葉はどれも前向きで、希望や可能性に溢れるものばかりでした。「地域で面白いことをやっている人になりたい」と笑顔で話してくれた姿に、確信があって進むのではなく、動きながら考えていくという岡田さんらしさを感じました。これからも地域を舞台に活動する岡田さんを応援しています!

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