このインターンは募集終了しました。
たくさんのご応募ありがとうございました。
地域の子どもたちの内面を知って、地域の現状・課題を探り未来をつくる
心のケアを中心にホースセラピーを実施し、地域の子どもたちを育む活動をしてきた一般社団法人三陸駒舎。インターンでは地域の子どもたちの現状を知り、これからの教育をみんなで考える基盤づくりをおこないます。
このプロジェクトについて
■特徴1:きっかけは「被災地の子どもを元気にしたい」という気持ち
ホースセラピーは馬という命に触れる体験を通じて「自分は必要な存在」という自己有用感を高め、馬とのコミュニケーションを図る中から主体性を引き出すリハビリテーションの一種です。1950年代のイギリスが発祥で、フランスやドイツなど国によっては健康保険の適用が可能となっており、日本でもアニマルセラピーの広がりとともに近年注目を集めています。
今回のインターンの受け入れ担当者である黍原(きびはら)さんがホースセラピーを始めたのは2015年。3.11から4年が経ち、世間の注目が震災から徐々に移りつつある一方で、釜石ではまだ被災した子どもの多くが仮設住宅での生活を余儀なくされているときでした。
黍原さんはまちづくりの仕事をする中で防音性の低い仮設住宅に暮らしている子どもたちが、ご近所への迷惑を考えて思いっきり遊べないのを見て、この子どもたちのために何かしたいと考えるようになりました。
そんな中、子どものためのホースセラピーを全国的に行う寄田さんとの出会ったことをきっかけにして、釜石で自らがホースセラピーを行う団体を立ち上げることを決め、寄田さんと一緒に2015年4月に一般社団法人三陸駒舎を立ち上げました。
■特徴2:ホースセラピーから始まる子どものケア事業や居場所づくり
現在、三陸駒舎でメインで行っているのは、ホースセラピー事業。震災の影響で、心のケアが必要な子どもを中心に、ホースセラピーを実施しています。
震災後の生活環境の変化にストレスを感じたり、震災のショックが原因となり、PTSD(心的外傷後ストレス障害)などの精神的に不安定な子どもたちは少なくありません。また、このような症状は、震災直後に発症する例もあれば、震災から8年経った今発症するケースもあります。一見元気な子どもたちも、実は他人や自分自身でさえ気づかない悩みや不安を抱えていることが多いです。その症状のケースも子どもたちによってさまざまで、症状の発覚や治療のタイミングを失ってしまい、深く長く彼らを苦しめてしまうこともあるのです。
そこで、三陸駒舎はメインで行っているホースセラピー事業を軸に、デイケアの実施や休日のデイキャンプを通して、動物や自然の中でケアを行っています。元気な子どもたちから、PTSDや発達障害を抱える子どもたちまで対象は様々です。子どもたちや大人が集まり、それぞれの悩みや、潜在する症状の早期発見とケアを実現させることができるのです。三陸駒舎を中心に、古くから馬と暮らしていた地域文化が再生し、自然や動物と触れ合うことでケアにつながる輪が広がっています。
■特徴3:「自分のことが好き」、「自分に自信がある」と思う子どもたちを増やすために
自己肯定感や自己有用感という言葉は、ここ数年でよく聞く言葉になってきています。「自分のことが好きだ」や「自分に自信がある」といった、つまり、自分自身を認められる気持ちのことを指しています。近年、この自分自身を見つめなおしたときに、自分を好きになれない、認められないという人が多いことが問題視されてきました。とりわけ、子どもたちのこの自己肯定感や自己有用感の低さは、社会問題として取り上げられ、その原因や解決策に関するさまざまな考察が学術的にも多くおこなわれています。
子どもたちは、今、幼稚園に入園する受験勉強に始まり、小中高・大学と受験戦争を潜り抜けています。自分自身や他人を評価する基準も、テストの点数や成績によって行われます。その結果、幼いころから他者と比べることで自分自身を評価したり、家族や先生から評価される環境にいた結果、自分の内面に自信を持つことや、性格を知ることが少なくなりました。その為、点数や評価が周りの誰かよりも低かった=自分は周りよりもできない人間なんだ、と自分自身を否定するような考えになってしまいます。それが、競争心を高めさらに勉強に勤しむこともあれば、そこでポッキリと心が折れてしまうことも少なくありません。一度の挫折経験が、その後の人生にも大きく影響してしまうのが、現代社会の大きな課題でもあります。
そういった現代社会の課題や、現状を把握し、これからの子どもたちや将来の為にどんな教育の在り方が必要なのか、様々な場で議論がなされてきました。そこで、今回のインターンシップでは、釜石市内の小学校を中心に、自分自身に対する問いのアンケートを実施し、集計を行います。そこで分かった数字や仮説をもとに、子どもたちの現状やどんな教育や福祉のあり方を目指していくべきか、地域の大人たちや教育関係者との勉強会を通じて、議論する場を設けたいと思います。また、北欧・ノルウェーはそんな教育や福祉への理解や取り組みが、近年諸外国から大きな注目の的となっています。そんなノルウェーの実情や取り組みについて学びながら、釜石ではどんな教育を目指すべきかを、一緒に考える場づくりを行うことが今回のインターンシップです。
子どもたちの今を知り、これからの未来を考える。そんな場づくりを一緒にする仲間を募集します。
募集要項
募集対象 |
大学生 |
---|---|
期間 | 短期(3週間〜2ヶ月) |
テーマ |
こども・教育,医療・福祉・ヘルスケア |
職種 | リサーチ・コンサルティング、新規事業 |
活動 支援金 |
あり |
活動内容 |
市内小学校向けに自己肯定感に関するアンケートを分析し、その結果の報告会と教育先進国の勉強会を行い、地域での教育への関心を高める場づくりをする。 |
期待する成果 |
・市内の小学校向けに自己肯定感に関するアンケートの実施と回収・分析 |
得られる経験 |
・地域の子どもたちへのアンケートを実施することで、現代の子供たちの課題について深く考える経験 |
対象と なる人 |
・主体的に課題を考え、責任を持ってやり切れる人 |
活動条件 |
【期間】 |
活動場所 |
一般社団法人三陸駒舎 |
事前課題 | 有り(活動内容参照、詳細はエントリー時に説明します。) |
私たちはこんなチームです!
団体概要
- 設立
平成27年4月1日
- 代表者名
寄田勝彦
- 従業員数
3名
- 資本金
-
- 売上高
-
- W E B
http://kamakoma.org/
- 住所
岩手県釜石市橋野町9-44-7
ホースセラピーを通じて馬と共に暮らす生活文化を再生する
釜石で復興まちづくりに携わる黍原さんと、全国的にホースセラピーを展開する寄田さんを中心に2015年4月に設立。
築90年の古民家「南部曲り家」を拠点に、馬と共に暮らす地域文化を再生します。 馬との暮らしをベースにしたエコツーリズムやホースセラピーなど地域で新たな仕事を起こし、誰もが心豊かに過ごすことのできる持続可能な地域の未来をひらきます。 現在は釜石市や三陸地域の方々、首都圏のサポーターなどと連携しながら事業を展開中。
インターン生へのメッセージ
プロフィール
黍原 豊(きびはら ゆたか)一般社団法人三陸駒舎 理事、現場総括責任者
1977年愛知県生まれ。2001年岩手大学農学部卒。
在学中は、山村集落に通い詰めたり、クマの追跡調査など、大学よりも山で多くの時間を過ごし、岩手の魅力にどっぷりとハマる。就職活動は全くしないまま、卒業後は岩手に残ることだけを決める。
NPO法人岩手子供環境研究所、県立児童館いわて子供の森を経て、2013年4月から今年5月まで、釜援隊(復興支援員)として釜石市の復興まちづくりに携わる。釜石で活動する中で、地域固有の文化再生と継続的な子供支援の必要性を感じ、三陸駒舎を設立。自らも家族と一緒に古民家で馬と共に暮らし、事業を展開する。